データ入力は単純作業でありながら、求められるデータ量や作業時間が膨大になります。
完全手作業で実施した場合、取り組み出すと意外に時間を奪われてしまいます。
本記事では、データ入力を楽にする自動化・効率化するツール紹介や必要なスキル・コツを解説します。
- SIer/Web系企業での実務経験があるフリーランスエンジニア
- ランサーズにてデータ入力案件70件以上獲得
- 完全在宅ワークで総獲得金額300万円達成
そもそもデータ入力とは?
データ入力の仕事は、PCを利用し企業・個人が持つデータを入力する作業です。
また、様々な企業データの他にWebサイトやSNSにて公開されているデータを収集する作業も含まれることが多いです。
データ入力の際、Word/Excel/csvファイルなどに書き込みを実施・保存します。
現在では、企業データ/アンケート/サイト内の公開情報など、あらゆるデータが電子化されているため、単純なデータ入力業務は少なくなっています。
そのため、データ入力を含めた様々な業務を如何に正確性を担保して自動化・効率化できるかが重要です。
データ入力の自動化とは?
データ入力の自動化とは、これまで完全手作業で実施してたデータ入力業務をツール・ソフトを利用して自動化する方法を指します。
従来の自動化・効率化ツールやソフトは、複雑なプログラミングの知識や難しい操作手順が必要でしたが、近年のツール等は特別な知識・技術なしで利用できます。
例として、以下の自動化・効率化ツールが挙げられます。
ツール | 説明 |
---|---|
OCR・ChatGPT | 画像認識からテキスト抽出や音声ファイルの文字起こし |
Excelマクロ | Excel上のデータ整理・チェック |
Google スプレッドシート | GoogleサービスでWebブラウザ連携やライブラリを利用 |
RPA | PC上の操作処理を含む業務自動化 |
Webスクレイピング | データ収集の定番ツール |
データ入力の自動化・効率化を考えられる人はデータ入力業務に向いている人です。
データ入力の仕事に向いている人・向いていない人の特徴を知りたい人は「データ入力の仕事はきつい?つらい?向いている・向いていない人の特徴」を一読ください。
データ入力自動化のメリット
データ入力の自動化・効率化によって様々なメリットが享受できます。
代表的なメリットとして以下のものがあります。
- 業務時間短縮
- 人件費削減
- ヒューマンエラー防止
- 業務稼働時間の創出
データ入力自動化のメリット|業務時間短縮
データ入力自動化で最もメリットが享受できる一つとして、業務時間短縮があります。
シンプルな作業でありながら、データ量が膨大であればあるほど集中力と時間が必要になります。
一方で、自動化ツールを導入すれば、定型化された業務を時間をかけず正確なデータ入力が可能になります。
そのため、データ入力の時間短縮を実現できれば、別のコア業務に注力できます。
データ入力自動化のメリット|人件費削減
データ入力は、メイン業務にデータ利用するための事前準備で実施する作業が多いです。
そのため、手入力作業だと時間配分をある程度割く必要があり、メイン業務の質が落ちてしまいます。
自動化ツールによる作業工数削減によって、必要人員数を削減できるため人件費削減につながります。
また、自動化ツール導入により実施者の能力に関わらず実施できるため、データ入力業務の平滑化が実現できます。
データ入力自動化のメリット|ヒューマンエラー防止
手入力によるミスは、業務時間を最も奪う致命的エラーです。
ヒューマンエラーによって、データ入力ミスがあると再度データ入力業務を実施する必要があるため、時間増大になり無駄が発生します。
自動化ツールを導入すれば設定に従ってデータ入力を処理するため、集中が続かない手入力によるミスを防げます。
必要になるのは、『出力データ確認』と『設定の調整』のみになるため、業務難易度がグッと下がります。
データ入力自動化のメリット|業務稼働時間の創出
本来、従業員が業務時間外で稼働し作業することは困難です。
自社サーバーやクラウド環境を利用し、自動化ツールを常時動作させれば、365日24時間フル稼働可能です。
基本的に、自動化ツールを適切に利用できれば、データ準備の作業は無くせます。
データ入力に代表的な自動化・効率化ツール
近年では、数多くの自動化・効率化ツールが存在します。
ここでは、データ入力に活用できる代表的な自動化・効率化ツールを解説します。
ツール | 説明 |
---|---|
OCR・ChatGPT | 画像認識からテキスト抽出や音声ファイルの文字起こし |
Excelマクロ | Excel上のデータ整理・チェック |
Google スプレッドシート | GoogleサービスでWebブラウザ連携やライブラリを利用 |
RPA | PC上の操作処理を含む業務自動化 |
Webスクレイピング | データ収集の定番ツール |
自動化・効率化ツール|OCR/ChatGPT
OCRは、画像認識技術によって画像内のテキストなどを分析・抽出できます。
また、近年ではChatGPT Code InterPreterなど、画像ファイルやzipファイルをアップロードし、プロンプトを用いて自動化・効率化を図れます。
まだ電子化できていない書類や紙アンケート、領収書や名刺など様々なものを一度画像ファイルにしてしまえば、自動化ツールでチェック・整理できます。
最終的にデータファイルの一元化まで指示することができるため、非常に有用です。
自動化・効率化ツール|Excelマクロ
Excelは、表計算やリスト作成など、様々なデータを書き込み・保存できるソフトです。
また、Excelマクロは業務内の一連処理を設定し、自動化できる機能になります。
ExcelのVBA(プログラミング処理)も実装可能であり、cronなどを利用すれば、定期実行ツールにも変更可能です。
さらに、Excel+AI(Microsoft 365 Copilot)によって、プロンプトによる指示も可能になってきています。
売上の表計算・データ分析グラフの作成、簡易レポートやリスト作成など実施できます。
自動化・効率化ツール|Google スプレッドシート
Google スプレッドシートは、Googleが提供するサービスの一つでExcelのWeb版と捉えるとわかりやすいです。
こちらもExcelと同様な機能を持ちながら、様々なライブラリを駆使することでWeb APIやWebサービスと連携できます。
また、GAS(Google App Script)といったJavaScriptに近い言語が存在するため、複雑な処理も対応できます。
さらに、Google スプレッドシートをデータベースとし、「AppSheet」と呼ばれるノーコードツール連携すれば、アプリ化できます。
そのため、スプレッドシートに定期実行機能を実装させ、データベースの情報更新や保存を行い、社内のデータ検索アプリなどで業務改善のカスタマイズができます。
自動化・効率化ツール|RPA
RPA(Robotic Process Automation)は、基本的にPC上の操作手順を設定し自動化するツールです。
そのため、自動化させたい業務を切り分け、都度操作手順を保存することで手放しに実行できます。
また、近年のRPAツールは様々なAPIやWebサービスと連携できるため、業務範囲が広い場合でも実行できるのが利点です。
自動化・効率化ツール|Webスクレイピング
Webスクレイピングは、Web上にて特定のサイトなどからデータを取得する技術を指します。
メルカリ等の商品情報やマイナビ・リクナビなどの企業情報において、スクレイピングツールを利用することで容易にデータ収集できます。
基本的に、プログラミング言語を利用してスクリプトファイルを実装することが多いため、プログラミング知識が必要になります。
ただ、クラウドソーシングサイトなど様々なスキルシェアサービスにて依頼することができるため、安価な金額で発注し作成してもらうことができます。
自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事
基本的に、自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事は、データ入力や収集・整理・チェックなどの定型化された業務になります。
自動化・効率化ツールを導入しやすい代表的な仕事は以下です。
- 経理・会計・財務
- 営業
- マーケティング
- 人事・総務
- ECサイト運営
自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事|経理・会計・財務
- 給与計算
- 税金計算
- 決算書作成
- 帳票作成
- 経費清算
経理関連の業務は一連の業務プロセスが定型化しやすく、自動化・効率化ツールを導入しやすいです。
特に、紙による領収書などのデータ入力などは無駄に時間が取られることが多いため、OCR等の相性が良いです。
ただし、入力ミス発生など繊細なデータ入力が求められるため、データチェック・整理の自動化が重要になります。
自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事|営業
- 名刺データ登録
- プレゼン資料作成
- 見積もりや受発注に伴う書類作成
- 納品書や請求書作成
- 営業/テレアポリスト作成
特に、名刺データの登録はOCRツールの活用、営業/テレアポリスト作成はスクレイピングツールなど、業務自動化が可能です。
クライアントの見積もりや請求書等の種類作成もExcelマクロなどでフォーマット作成できるため、無駄なデータ入力を削減できます。
自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事|マーケティング
- マーケティングリスト作成
- 広告メールの配信
- 企業データの分析
企業にマーケティング実施するためにメーリングリストの作成や配信自動化が可能です。
また、企業データの分析実施するためのデータ収集なども業務改善できます。
自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事|人事・総務
- 従業員の個人情報管理
- 就職/転職の方へメール配信/やり取り
- マニュアル完備や配布
- 研修に伴う情報発信
近年では、採用管理システムとしてATSがありますが、まだまだデータ移行等を未実施な企業であれば、自動化・効率化ツールが有用です。
また、採用情報の発信やメール配信等もATSでは実施できないケースがあるため、Excel/GAS等のツール利用が最適です。
メール配信システムを持つコミュニケーションツールもあるため、業務改善に役立ちます。
自動化・効率化ツールを導入しやすい仕事|ECサイト運営
- 商品の受注/発注に伴う書類作成
- 在庫データ管理
- 商品配送時のメール送信
- 問い合わせ対応
筆者の経験では、Amazonやメルカリ・eBay・BUYMAなどの在庫管理としてスクレイピングツールを用いて差分情報の処理を実装したシステムを開発しました。(いわゆるサードパーティツール)
また、問い合わせ対応等もサービスによってWeb APIを利用できるため、システム開発が可能であり、業務の自動化・効率化を実施できます。
データ入力における自動化・効率化の考え方
データ入力あるいはデータ入力を含む全体業務を可視化する必要があります。
- 業務全体の洗い出し・ルート化
- 業務の切り分け
- 切り分け業務に対する自動化・効率化ツール選定
- 自動化・効率化ツールの導入
例えば、上記画像のように営業関連活動の業務を洗い出し・ルート化を考えます。
また、実際に自動化・効率化を実現できる業務を切り分けて可視化します。
従来業務の中でリスト収集・作成を自動化・効率化できることが明確になれば、ツール選定を実施します。
最終的に導入することでデータ入力含む業務の自動化・効率化を実現することができます。
自動化によるデータ入力&収集案件の実例
実際に自動化によるデータ入力案件の実例を掲載します。
ここでは、筆者が多用するランサーズによるデータ入力&データ収集案件を実例として記載します。
データ入力&収集案件獲得から完了までの流れ(ランサーズ)
筆者は主にランサーズを利用して案件獲得しているため、ランサーズによる解説になります。
案件獲得後は依頼内容に沿って実施するだけなので、ここでは案件獲得に関してフォーカスします。
クライアントから案件を獲得する方法としては、「依頼に対する提案活動」と「自身で展開できるパッケージ商品を購入してもらう」といった2種類になります。
個人的には、待ちの営業ができるパッケージ商品がおすすめです。
依頼自体は、ランサーズにて「仕事を探す」から見つけ出します。
データ入力&収集案件を探したい場合は、カテゴリとして「タスク・作業」が選びましょう。
パッケージ商品を展開すると、出品したパッケージをクライアント側で検索してもらえます。
筆者の場合は「データ」といったカテゴリを設定しており、1位〜3位を行き来しています。
そのため、クライアントが検索した際に訪問されやすく、月に5~10件ほど相談が舞い込みます。
データ入力&収集案件の業務内容
実際に、データ入力&収集案件の業務内容で必須となる確認事項を記載します。
確認事項を押さえておくことでスクレイピングプログラム作成が容易になります。
特に、対象サイト・データ項目・件数だけは押さえておきましょう。
また、筆者がこれまで案件で実施した対象サイトを記載します。
・リクナビ
・マイナビ
・doda
・食べログ
・ホットペッパー
・メルカリ
・特定キーワードを含むツイートデータ(X:旧Twitter)
・Googleマップ
・Google検索
・YouTube/SNS
「このサイトでもスクレイピングできるのか。」と参考にして頂ければ幸いです。
実際にデータ入力&収集案件で作成したスクレイピングプログラムを知りたい人は、以下の記事を一読ください。
コメント